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鉸めセットとは(かしめせっと)

「鉸めセット」は、明治から昭和にかけて、鋳鉄ガス管(水道型継手、G型継手)の接合部に鉛を用いて気密保持をした鉛鉸め用の工具で、用途に応じた工具一式を総称した呼び名である。

鉛鉸めは、明治18年から昭和45年まで接合方法の主流であったが、昭和45年以降はメカニカル継手(TM)に代わり、その後さらにポリエチレン管(PE融着)の普及でその役割を終えた。現在は、鉛継手の漏洩修理および更生修理に用いられているが、技能継承が出来ていない希少な技術の一つでもある。

作業手順は、ガス管の受け口と挿し口の隙間を均等な間隔にするために、麻肌(麻繊維に油分を滲みこませた麻縄でガスによる乾燥を防ぐ)を2重に巻き付け、肌打ち工具により堅固に締め付ける。そのあと熔けた鉛を注ぎ込み、ハンマーを用いタガネで挿し口側の鉛を軽く打ち込み、つづいて鉸めセット1番から順に7番で打ち込み面を平滑にし、最後は鉛切りと鉛かきで、管肌にこびりついた余鉛を除去して仕上げることで気密を保持する。

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口径300mmまでは、1人用鉸めセットを重量2kgのハンマーを用いて一人作業で、口径400mm以上は2人用鉸めセット(柄付鉸めセット)とハンマー2.5kgを用いて二人で作業をする。その他、現在は幻になってしまったが、口径750mmから1000mmの接合には、チッピングハンマー(圧縮空気を用いた工具)による鉸めセットがあった。

一人鉸めセット
二人鉸めセット
一人鉸め作業の様子