近隣には
線路、繁華街、雑居ビル…
難題山積みの5億円プロジェクト!

2004年入社

建設本部 都市インフラ事業部 広域ユニット

作田 健

PROJECT

東京水道局さんからの白羽の矢

それは東京・東村山市で、約200mの水道管を新たに敷設するという工事でした。現場は通行人の多い繁華街で、しかも西武新宿線の線路の下に配管を通す工事。地面を4mほど掘り下げるため、電車が通過するときは工事の手を止める必要があります。通行人の整理も大変ですし、雑居ビルに入っている店舗・住宅への影響も少なくありません。工事の難易度でいうと高いほうだと思います。

実はこの工事、東京水道局さんが工事業者を公募していたんですが、条件面で折り合わず3度の入札がすべて不調に終わっていたんです。でも絶対にやらなきゃいけない工事だし、予算も工期も決まっているし…。そんな中で「あすかさん、なんとかやってもらえませんか」と私たちに声がかかりました。これまでの実績・技術力を買われて、いわば白羽の矢が立ったというわけです。

入社以来、経験したことのない規模

工費は5億2000万円で工期は約2年半。これまでに経験してきた現場は3000万円から大きくて1億円、工期も長くて1年半くらい。施工管理者として手がけたことのないビッグプロジェクトです。私の他にサブの施工管理者がつき、施工のメンバーが10名ほど、警備員さんが15名ほど、そこにコンサルタントが加わり、チームとしてもかつてない規模になりました。

繁華街でのこれだけ長期の工事も、線路の下という場所も、もちろん初めての経験です。本当に自分にできるのか。工期に間に合うのか。最後までやり遂げられなかったらどうしよう。最初はそんな不安ばかりが募りました。でも、せっかく東京水道局さんが指名してくれた仕事です。最後は「やるしかない!やればできる!」と腹をくくって現場に挑みました。

電車との戦い、地域との調整に四苦八苦

まず朝夕はかなり本数が多い西武新宿線が工事の邪魔をします。電車が通過するたびに掘削を中断しないといけないので、思うように作業が進みません。また繁華街なので昼夜を問わず人通りがあり、夜は飲み会帰りの方が保安帯に入ってしまうことも…。警備員さんたちにも散々、苦労をおかけしました。さらに沿道には1階が店舗で上階が住宅といった雑居ビルが多く、それぞれの都合を考慮して工事をしないといけないという状況でした。

例えば1階の店舗からは「営業時間中の工事は困る」といわれます。さらに昼営業のお店は「夜ならOK」とおっしゃってくださるんですが、夜営業の居酒屋さんなどからは「夕方以降は勘弁して」という要望も出ます。上階にお住まいの方も「会社に行ってる昼間にやってほしい」、「音がうるさくないのなら夜の間に」と人それぞれ。1軒1軒訪問して話を伺い、個々の事情を考慮しながら進めるしかありません。結局、店舗の休業日や日曜、場所によっては夜中に集中してやることもありました。

でも苦労が多かった分、成長も大きい

とにかく難題の多い現場でしたが、ひとつの工程が終わるたび、ひとつのエリアに水道水を供給できるようになるたびに達成感がありました。工事が進むに連れてチームの絆が強くなり、仕事がスムーズに運ぶようにもなりました。次第に「これならできる!」という自信も湧いてきました。結果、無事に期日までに完了。このときは過去に感じたことのないほどの「やり遂げた感」に包まれ、チームが解散してしまうのが淋しいくらいでした。

もちろん技術的にも得るものがありました。4mほどの深さまで掘る工事では土砂崩れを防ぐ対策が必要です。現場の状況や土壌によって様々な山留めの選択肢があるんですが、ここでは設計図書を考慮し、水道局とも協議した結果「ライナープレート」という工法に決定。支障物が多くて設置にも困難をきわめましたが、とても勉強になりました。他にも多くの警備員さんとの連携、店舗やお住まいの方との交渉、様々なご希望に応えながらの工事進行、絶対に地盤沈下を起こさない入念な埋め戻しなど、たくさんの「経験」ができました。この工事で手にした成長は、工事金額以上の価値があったかもしれません。